エクセルの$の意味とは?
エクセルで数式を記述する際に頻繁に「$(ドルマーク)」が使用されます。
エクセルに詳しい人だと$の意味ついてよくわかっており、しっかり理解しておかなければいけないものということは分かっていると思いますが、初心者だとどういう意味かさっぱり分からないはずです。
そんなエクセルの数式で使われる「$」とは、セルの絶対参照・複合参照を指定する際に使用する記号で、行番号列名の直前に$があった場合、コピーしても行や列が移動しないように固定することが出来ます。行・列の両方に$を指定した場合は絶対参照となり、行と列どちらか一方にだけ$を指定した場合は複合参照となります。$を全く指定しなかった場合は相対参照となり、行と列どちらも固定されません。
数式を1つ書いたあとにその数式をコピーする場合、$がついていない行・列はコピー先に合わせて行番号や列が移動し、$がついていて固定されている行・列はどれだけコピーして移動させても変化ありません。
エクセルの$の利用方法
それでは実際に$マークはどのように使うのか見ていきましょう。
基本的な使い方
まずは簡単に$の使い方について解説します。
まずは$を使ったときとそうでないときの挙動を検証するために、まずは$を使わない相対参照の形式でセル番号を指定してください。
上記データだとA2*B2は10*2なので答えが20になっています。それではこのC2セルをコピーしてC3セルに貼り付けてみます。
これがセルを相対参照しているセルをコピーペーストしたときの挙動です。続いては絶対参照の挙動を見てみましょう。
この数式が入ったC2セルを先ほどと同じようにC3セルにコピーペーストしてみます。
最後に複合参照です。複合参照を実用するのは難しいですが、使い方は行と列どちらかにのみ$をつける書き方です。例えば$A1やA$1はそれぞれ行と列のどちらかしか$が付いていないため複合参照です。
複合参照の場合は、$が付いていないセルのみコピーしたときに移動します。
D2セルは列が一つずれるので、列が固定されていない「E$2」が「F$2」になり、税込価格が計算されます。
C3セルにコピーした場合は行番号が変わりますが、「E$2」は行番号が固定されている($2)ため、行が変わっても「E$2」の部分は変わりません。
そのかわり、数式前半部分の「$A2*$B2」は行番号が固定されていない複合参照であるため、C3セルにコピーすると行番号が変わり、「$A2*$B2」は「$A3*$B3」となります。このような立体的な表計算で複合参照が活躍します。
応用問題なので初心者には難しいですが、複合参照を実用できるようになるころには関数などもかなり使いこなせているはずなので、エクセルの自由度がさらに高まるでしょう。
絶対参照・複合参照を簡単に指定する
絶対参照と複合参照の使い方に慣れてくると、毎回$マークを入力するのが面倒になってきます。そういう時はショートカット気を使うことで効率化を図ることができます。
エクセルはセルの参照を入力した後にF4キーを押すと「絶対参照」「複合参照(行固定)」「複合参照(列固定)」を順番に切り替えることができ、わざわざ$を入力する手間を省けます。
日本語キーボードでは$を入力しようと思うと必ずShiftキーを押さないといけないことから少々面倒なので、F4キーで指定できることを覚えておくと数式入力が楽になるでしょう。