HandBrakeの設定をご紹介!【高画質/ノイズ/ビットレート】

HandBrakeの設定をご紹介!【高画質/ノイズ/ビットレート】

無料で使える動画変換ソフト「HandBrake」。HandBrakeを使うのはいいものの最適な設定が分からないということはないでしょうか。今回は動画変換特有の専門用語の解説も交えながらおすすめの設定方法を紹介していきます。


目次[非表示]

  1. HandBrakeの設定
  2. HandBrakeの高画質設定

HandBrakeの設定

HandBrakeはDVDやBlu-rayの動画を直接取り込んでエンコードできるなど、利便性に優れたフリーの道変換ソフトです。

HandBrakeは細かくエンコード設定を行えます。適切なエンコード設定を行うことで無駄にファイル容量を大きくなることを防いだり、画質が劣化しすぎて見づらくなることも少なくなるでしょう。

ですが、適切にエンコード設定を行うには動画エンコードの用語や意味をある程度理解しておかなければなりません。

この記事では用語の意味から適切な設定方法まで順番に解説していきます。

画質設定

動画のエンコードで最も重要な要素が画質設定。そんな動画の画質を落とさないために大切なのがビットレートです。

ビットレートとは一秒間のデータ量のことを表しており、動画だと1秒間の映像に割り当てられている容量のことを言います。

ビットレートが高ければ高いほど映像の保存に使える容量が大きくなるので、元動画の画質を維持できます。

映像」タブでビットレートを変更する
HandBrakeでは「映像」タブでビットレートを変更できます。

ですが、HandBrakeは初心者でも高画質でエンコードできるように、シンプルな品質設定(Constant Quality)が用意されています。

品質設定でビットレートの設定を行うと、エンコードする動画に最適なビットレートが自動設定されるのでおすすめです。

「平均ビットレート」にチェックを入れて設定する
手動でビットレート設定したい場合は「平均ビットレート」にチェックを入れて設定しましょう。

2パスエンコードとは

ビットレートの設定項目
ビットレートの設定項目に「2パスエンコード・1パス最速エンコード」とありますが、動画の画質が良ければそれでいいならデフォルトのまま、気にする必要はありません。

2パスエンコードとは、同じ動画のエンコードを2回繰り返して同じビットレートでも画質を高める技術です。

エンコードが2回発生するので動画変換時間は長くなりますが、動画の画質を高めた上で容量を抑えられるので、必要な時は2パスエンコードを有効化しておきましょう。

映像コーデック

映像コーデックとは、動画のエンコードに使用するソフトウェアのことです。使用するエンコーダーによって変換先の形式が変わったり、エンコード時間・画質なども変わってきます。

映像コーデックのプルダウン
一番メジャーな動画形式であるmp4はH264(x264)という映像コーデックでエンコードされます。

使用しているパソコンによってはH264(NVidia NVEnc)など似た名前の映像コーデックが表示されますが、これはグラフィックボードを使って処理する用に最適化された映像コーデックです。

同じ種類のコーデックなら品質差はありません。

フレームレート

動画の滑らかさを表すフレームレート。フレームレートとは、1秒間に何回映像を更新するかを表す数値です。

30FPSだと映像が1秒間で30回更新されるため、かなり滑らかになります。60FPSだと更になめらかになり映像がヌルヌル動くようになります。

映像タブの「フレームレート(FPS)」でフレームレートを設定
フレームレートは映像タブの「フレームレート(FPS)」で設定できます。

設定範囲は「5~120」まで細かく用意されているので、ここから選ぶようにしましょう。

ちなみに少し後でも触れてますが、元の動画以上のフレームレートに上げてカクカクだった動画を滑らかにすることはできないので注意してください。

インターレース解除

インターレース解除という言葉を聞いたことはあるでしょうか。聞いたことがあっても意味は分からないと思います。

仕組みの解説はかなり省略しますが、簡単に言うと映像のブレを無くす処理です。

パソコンやゲームでキャプチャした映像を一時停止してみると、他のものと重なって二重に表示されたことはないでしょうか。この原因がインターレースです。

インターレースを解除することで、映像を一時停止しても他の物が二重に重なってブレて表示されることがなくなります。

インターレースを解除する
HandBrakeではインターレースを解除することが可能です。

選択項目は「Off・Yadif・Decomb」の3種類ですが、「Yadif・Decomb」のどちらかを選んでおけばインターレスは解除されます。

元動画以上の品質にはならない

あらゆる動画エンコードに共通することですが、元動画以上の品質になることは絶対にありません。ですので、元動画の品質を維持するか劣化するかの2択になります。

例えば元動画のフレームレートが30FPSの動画を60FPS設定でエンコードしても、元動画は30FPSですので映像が60FPS相当の滑らかさになることはありません。

それだけでなく、画質が劣化する可能性もあるため、元動画のフレームレートを確認してからエンコードとするようにしましょう。

Windows10でフレームレートを確認する
Windows 10の場合はエクスプローラで確認できますので、元動画のフレームレートと同じフレームレート、もしくは元動画のフレームレートに近いフレームレートを選択しましょう。

HandBrakeの高画質設定

では、HandBrakeで高画質設定にするにはどうしたらいいのかについてですが、エンコードする動画によって高画質設定が変わってきます。

大きく分けて6通り紹介しますので、それぞれ参考にしてエンコード設定を変更してください。

ここで紹介している設定は30FPS前提のものですので、60FPSの動画をフレームレートを落とさずにエンコードする場合はビットレートを2倍にしてエンコードしてください。詳しくは後述しています。

動きの激しい実写映像

カメラで撮った動画のうち、常に上下に揺れているものなど動きが激しいものは高めのビットレートを設定しておかないと画質が大きく劣化します。

おすすめの設定はこちらです。

  • 動画形式:mp4
  • 映像コーデック:H264
  • 画質設定:9000Kbps
  • フレームレート:Same as Source
  • インターレース解除:Decomb
実写映像は映像の細かな変化が多いため、ビットレートを高めに設定しておくことをお勧めします。

2Dゲーム・2Dアニメーション

2Dゲーム・2Dアニメーションの映像はそこまでビットレートを必要としません。そのため思った以上に動画容量を抑えられるケースが少なくありません。

おすすめの設定は以下のとおりです。

  • 動画形式:mp4
  • 映像コーデック:H264
  • 画質設定:ビットレート→3500Kbps
  • フレームレート:Same as Source
  • インターレース解除:Decomb
紙芝居など映像の変化が少ない動画なら更にビットレートを下げることができ、1000Kbpsでも映像がほとんど劣化しないこともあります。

動画容量にこだわる場合はどこまで画質を下げたら画質の劣化が気になるか試してみるといいかもしれません。

3Dゲーム・3DCGアニメーション

3Dゲーム3DCGアニメーションは画面の変化が激しいため高めのビットレート設定が必要になります。

  • 動画形式:mp4
  • 映像コーデック:H264
  • 画質設定:ビットレート→13000Kbps
  • フレームレート:Same as Source
  • インターレース解除:Decomb
 

エフェクトが激しいものだとさらにビットレートが必要になりますので、上記設定でも画質が劣化した場合はビットレートを上げてもう一度エンコードしてみてください。

どんな動画も高画質で楽にエンコードしたい

動画毎に最適な設定をするのは面倒という場合は以下の設定がおすすめです。

  • 動画形式:mp4
  • 映像コーデック:H264
  • 画質設定:品質設定→20
  • フレームレート:Same as Source
  • インターレース解除:Decomb
品質設定を使用した場合、動画に合わせて自動的に最適なビットレートを設定してくれるため、エンコードする動画ごとに必要なビットレートを予測して設定する必要がありません。

エンコードし直す手間も省けるのでおすすめです。

極限まで高画質を維持したい

この場合は最新の映像コーデックである「H265」を使用します。

H265はエンコードにものすごく時間がかかり、再生できる動画プレイヤーも多くないですが、最も容量を抑えた上で高画質を維持できる映像コーデックです。

おすすめの設定はこちらです。

  • 動画形式:mp4
  • 映像コーデック:H265
  • 画質設定:品質設定→10
  • フレームレート:Same as Source
  • インターレース解除:Decomb
それなりにスペックがあるパソコンでも相当時間がかかるので、時間に余裕があるときにエンコードすることをおすすめします。

60FPSの場合はビットレートを2倍に

60FPSの場合は30FPSの場合と比べて必要な容量が大きくなり、元動画の画質を維持するためにはより高いビットレートが必要となります。

ですので、ここまで紹介してきた30FPS向けの設定だとビットレートが足りず画質が大きく劣化してしまう可能性がありますので、60FPSの場合は30FPS向け設定のビットレートを2倍にしてエンコードするようにしてください。