HDRとは?
iPhoneのカメラアプリを起動させた時『HDR』という言葉を見たことはありませんか?『HDR』って何?と疑問に思っていながらも今更聞けない・・・と思っていたユーザーの方もいらっしゃると思います。
HDRとはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)という名称の略称です。
『HDR』は明るさの違う複数の写真を合成させ明るい部分と暗い部分を合成し、より自然でリアルな写真が撮影できます。
高画質にするために必要な5つの要素があります。その要素は『解像度』『ビット深度』『フレームレート』『色域』そして『輝度』です。
- 『解像度』は画素数を表しています。解像度が多いほど画素数が多くなります。
- 『ビット深度』は1画素が表示できる色の数を表しています。たくさんの色を使った方がより綺麗に、リアルに表現されます。
- 『フレームレート』は1秒間に何枚の画が表示されているかを表しています。映画の場合は1秒間に24コマ、テレビの場合は一般的に30コマです。
- 『色域』は表現できる色の範囲を表しています。
- 『輝度』は明るさの表現できる範囲です。
『解像度』『ビット深度』『フレームレート』『色域』の4つの要素は4Kや8KのUHD放送の規格『BT.2020』でも標準化されていますが『輝度』には明確な基準がありません。
それで近年注目を集めているのが『HDR』です。『HDR』を使うことでモニターからリアルな明るさ、鮮やかさを表現できるようになりました。
パソコンのモニターをネットショッピングで探していると『HDR400搭載!!』と大きく記載されている商品もあり、どれぐらい『HDR』が重要視されているか分かります。
どんな時に『HDR』は必要?
iPhoneで『HDR』で撮影したけど今いち必要性が感じられない・・・というユーザーの方もいらっしゃると思います。
『HDR』は逆光や暗所での撮影が綺麗にできるという大きな魅力があります。
例えば窓の外の綺麗な風景をバックに写真を撮るとき、通常のモードで撮影すると窓の外が白飛びしてしまい、せっかくの風景が綺麗に映らなかった・・・という経験をされたことはありませんか?
これは部屋の中の明るさと、外の明るさが違う事で起こる現象です。そんな時『HDR』を使えば綺麗に撮影できます。
なぜなら『HDR』なら外の明るさに合わせた写真と室内の明るさに合わせた写真をそれぞれ撮影し、合成させられるからです。
『HDR』を使うことでより肉眼でみた風景を写真に残せます。
HDRの使いどころとは?
実際に室内で植物の写真を撮ってみました。
まずこちらが通常のモードで撮影した写真です。植物の葉の部分が電気の光により、白飛びしているのが分かります。
こちらがHDRモードで撮影した写真です。先ほど白飛びしていた植物の葉の部分の光をグッと抑え、葉の模様が分かるようになっています。
基本的にHDR撮影は室内から屋外を撮影する時や、日差しの強い外など明暗差の激しい場所での撮影に向いています。
逆にHDR撮影をしない方がいい時もあります。
まず、カラフルで鮮やかな被写体です。
被写体のカラフルさや鮮やかさを出すには、ある程度の発光も必要ですが、HDR撮影することで発光を抑えてしまい、カラフルさや鮮やかさなど被写体の魅力的な部分を映し出すことができない可能性があります。
人物を撮影する時もHDR撮影するとシミやシワが目立ってしまう時があります。あまりシミやシワを目立たせたくない方は注意してください。
また動物や子供などのよく動く被写体を撮影する時も注意が必要です。
HDR撮影は複数枚の写真を合成しています。その為、よく動く被写体に対してはブレてしまう可能性があります。
この様にHDR撮影にも向いてる、向いてない場面があります。写真にこだわりたいユーザーの方はHDR撮影と通常撮影を上手に切り替え、自分の撮りたい写真を撮ってください。
iPhoneでHDRを有効にする方法
実はiPhoneXS以降の機種には『スマートHDR』という機能が搭載されました。『スマートHDR』とは、iPhoneがカメラに何が写ってるのか認識し、自動で人の顔がよく見えるように調整してくれる機能です。
写真が苦手・・・というユーザーにとっては便利な機能ですが、自分でHDRのオンオフを切り替えたいユーザーの方は『スマートHDR』をオフにしてください。
iPhone 8の場合は『スマートHDR』ではなく『自動HDR』と表示されているので同じくオフにしてください。
またiPhone 7以前の機種の場合はカメラアプリの上部に『HDR』というボタンがあるので、そこをタップしてください。するとオン、オフのメニューが表示されるのでそこから切り替えてください。