Excelの「ブックの共有」機能とは?メリットや使い方、エラーの対処法について解説!

Excelの「ブックの共有」機能とは?メリットや使い方、エラーの対処法について解説!

Excelファイルを複数人で利用する際、同時に編集できなくて手間がかかると思っている方もいるでしょう。その問題を解消できるのがブック共有機能です。今回はExcelのブック共有機能について、使い方やメリットなどを詳しく解説していきます。


目次[非表示]

  1. Excelのブックの共有機能とは?
  2. Excelのブックの共有機能のメリット・デメリットとは?
  3. Excelのブックの共有機能の使い方
  4. ブックの共有で起こるエラーと対処法

Excelのブックの共有機能とは?

Excelにはブックの共有機能があることを知っているでしょうか。

そもそもブックというのはエクセルのシートのファイルを表しています。Excelでは一つのファイルに複数シート作成することができるので、Excelファイルをブック、ブック内のシートはシートと呼び分けています。

そのブックを共有することで、他の方とリアルタイムで同時に編集できたり、編集者全員の変更履歴などを管理・保存することも可能です。

Excelのブックの共有機能のメリット・デメリットとは?

Excelブックの共有機能はメリットもあればデメリットも存在します。

ですので、まずはメリットとデメリットそれぞれ見ていきましょう。

メリット

まずはメリットからです。

リアルタイムで同時に編集できる

一番のメリットが、リアルタイムかつ複数人で編集できるということです。

エクセルファイルを編集するたびに編集したい人がファイルをダウンロードし、編集が終わったらファイルをアップロードして上書き。別の人がまたダウンロードして編集し、またアップロード。という無駄がなくなります。

編集したけどアップロードし忘れて更新できていなかったというトラブルも防げるので、エクセルを多用する方はかなり便利でしょう。

ファイルを毎回送る必要がない

ブックを共有した場合、リアルタイムで編集できるのでファイルを毎回送る必要ありません。

保存した内容は自動的に同期されるため、変更の都度ダウンロードする必要がないのです。

デメリット

メリットもあればデメリットも存在します。順番に見ていきましょう。

一部機能が制限される

ブック共有した場合、一部の機能が制限されます。

制限される機能は以下のとおりです。

  • セルの結合機能
  • セルの範囲挿入・範囲削除
  • シートの削除
  • グラフ機能
  • ピボットテーブル機能
これらの機能は共有しているブックでは使用できません。

excelのグレーアウト
使えない機能はこのようにグレーアウトして選択できないようになっています。

シートの管理が難しくなる

Excelユーザーによっては関数などの機能を熟知していたり、ほとんどわからない初心者レベルなどスキルに差があります。

そのため、Excelスキルが高い人が低い人に配慮して編集しないと、他の共有ユーザーが触りたくても関数などがわからなくて触れないなどの問題が発生し、かえって非効率になってしまうことがあります。

我流のエクセルテクニックを持っている方は特に注意しましょう。

Excelのブックの共有機能の使い方

Excelのブック共有は簡単に行えます。

まずは共有したいブックをExcelで開いておきましょう。

以前のExcelではブック共有ボタンが初めから表示されていますが、最新のExcelの初期設定ではブック共有ボタンが非表示になってます。ですのでまずはブック共有ボタンの表示設定を変更します。

共有ボタンの設定変更

メニューの[校閲]をクリック
Excelで開いたら、上部メニューの[校閲]をクリックします。
リボンメニューのどこかを右クリックしてコンテキストメニューを表示し、[リボンのユーザー設定]を選択する
リボンメニューのどこかを右クリックしてコンテキストメニューを表示し、[リボンのユーザー設定]を選択します。
「コマンドの選択」を[リボンにないコマンド]に切り替える
「コマンドの選択」を[リボンにないコマンド]に切り替えます。
下の項目一覧から[ブック共有(レガシ)]をクリック
下の項目一覧から[ブック共有(レガシ)]を見つけ出します。

項目はアルファベット・五十音順にソートされているので見つけやすいはずです。

[校閲]をクリックした後、[新しいグループ]をクリック
次に右側の[校閲]をクリックした後、[新しいグループ]をクリックします。
[ブック共有(レガシ)]をクリックし、続けて[追加]をクリック
その後、[ブック共有(レガシ)]をクリックし、続けて[追加]をクリックします。

間違えて[削除]を押さないよう気をつけてください。

[変更の追跡(レガシ)]と[共有の保護(レガシ]、[ブックの比較と反映]を追加する
続けて[変更の追跡(レガシ)]と[共有の保護(レガシ]、[ブックの比較と反映]を追加します。
追加し終わったら[OK]を押してオプションを閉じる
追加し終わったら[OK]を押してオプションを閉じます。
校閲タブのボタン
これで校閲タブにブック共有関係のボタンが全て表示されたはずです。

ブックの共有方法

ボタンの追加さえ終わればブックの共有は簡単です。

共有したいブックを開いた状態で[校閲]タブを開き、[ブックの共有(レガシ)]を選択する
共有したいブックを開いた状態で[校閲]タブを開き、[ブックの共有(レガシ)]を選択します。

すると現在ブックを開いているPCのユーザー名が表示されます。

[新しい共同編集機能ではなく、以前の共有ブック機能を使用します]にはチェックを入れずに[OK]ボタンをクリック
[新しい共同編集機能ではなく、以前の共有ブック機能を使用します]にはチェックを入れずに[OK]ボタンをクリックします。

チェックを入れると排他モードが無効になり、コピーなど一部の操作でエラーが発生することがありますので気をつけてください。

これでブックの共有モードを有効化ができました。

共有済みブックをアップロードして編集する
あとは用意したネットワークドライブやOneDriveに共有済みブックをアップロードし、そのファイルを編集することで、複数人で同時に編集できるようになります。

一度ファイルを共有してしまえば、変更があるたびにブックファイルの受け渡しや再ダウンロードを行う必要はありません。

変更履歴機能の設定変更方法

共有ブックは誰がいつどのセルを編集したのかがわかる変更履歴機能が用意されています。

設定を変更していない限りは有効化されていますが、こちらの設定を変更・確認する場合は以下の手順で行います。

[ブックの共有(レガシ)]をクリック
校閲タブに追加した[ブックの共有(レガシ)]をクリックします。
ブック共有設定画面の[詳細設定]タブに切りかえ、変更履歴設定を確認・変更する
開かれたブック共有設定画面の[詳細設定]タブに切りかえると、変更履歴設定の確認・変更を行えます。

変更履歴の保持期間など細かく調整できるので、必要に応じて変更しましょう。

ブックの共有をオフにする

共有化したブックの共有設定を解除したい場合はボタン一つで行なえます。

校閲タブの[ブックの共有を解除]をクリック
ブックの共有設定を解除する場合は校閲タブの[ブックの共有を解除]をクリックします。

すると同時編集ができなくなり、誰かがブックを開いている間は「編集のためロックされています」と表示されるようになります。

再度同時編集できるようにしたい場合はもう一度ブックの共有設定を有効化してください。

ブックの共有で起こるエラーと対処法

ブックの共有ではいくつかトラブルが発生することもあります。

ありがちなトラブルをいくつか見ていきましょう。

保存できないエラー

共同編集しているブックを保存しようとしたら、保存に失敗してしまうというときがあります。

この場合は以下に当てはまる可能性があります。

  • アクセス制限付きのネットワークドライブに保存しようとしている
  • 管理者権限がないと保存できないフォルダに保存しようとしている
ありがちなのが、ネットワークドライブを使っているパターンです、ブックの共有設定を行ったユーザーはアクセスできるものの、その他のユーザーはアクセスできないネットワークドライブを使っていると保存に失敗します。

ですので、共有ブック参加者全員にアクセス権限があるドライブ・フォルダを使うようにしてください。

ブラウザーで編集できません

「このブックは読み取り専用モードで開いています」の表示
OneDriveを使用して共有されたブックのURLを開くと、読み取り専用モードで開かれます。
「ブラウザーで編集できません」の表示
読み取り専用を解除しようと[ブックの編集]をクリックすると「ブラウザーで編集できません」と表示されてしまうことがあります。ここでダウンロードして開いても共有機能が使えません。

これはブックを共有したユーザーのOneDriveにファイルを作成する権限がないことが原因です。ですので、ブック共有者からOneDriveへのアクセス権限を付与してもらってください。

「編集のためロックされています」と表示される

これはブック共有設定を解除した人が開き続けていることが原因です。

この場合、ブック共有設定が解除されたまま開いている人を特定し、ブック共有設定を有効化してもらうか、一旦閉じてもらいましょう。

エクスプローラーのファイルプレビュー
また、エクスプローラーのファイルプレビューでも発生することがあります。

これも誰かが編集している扱いとなるため、誰も開いていないはずなのに「編集のためロックされています」と表示される場合はプレビュー表示を疑いましょう。

プレビューしていたら、プレビューするファイルを他のファイルに切り替える・エクスプローラーを閉じるなどで対処できます。

「共有違反のため保存されませんでした」と表示される

かなり古いWindows7・Windows Vistaを使っている場合に限り「共有違反のため保存されませんでした」というエラーが発生することがあります。

これはWindowsエクスプローラのサムネイルキャッシュ作成処理とExcelの保存処理が競合することで発生する問題で、Windows Updateを行うことで解決します。

インストールすべき更新プログラムは以下の二つです。

  • 982125:2007 Office system 修正プログラム パッケージ (2010 年 4 月 27日) について
  • 983314:Office Excel 2007 修正プログラム パッケージ (2010 年 6 月 29日) について
Windows7・Windows Vista使用者かつ10年以上アップデートしていない場合はこちらの更新プログラムを適用しておきましょう

2007 Office system 修正プログラム パッケージ
(Excel の x-none.msp、none.msp-グラフの x、Xlconv-x-none.msp) パッケージの Office Excel 2007 修正プログラム

Windows8以降は初回リリース時から既に修正済みの問題であるため、このようなエラーが発生することはありません。


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