エクセルで給与計算をする方法!24時間を超える時間を表示するには?

エクセルで給与計算をする方法!24時間を超える時間を表示するには?

エクセルはオフィス製品の中でも計算が得意なソフトです。給与計算も数式を組めばとても簡単で、効率的に給与を求められます。もちろん1日をまたぐ労働時間であっても時間計算できます。今回はエクセルを使った給与計算方法や給与計算に絡む時間計算について解説します。


目次[非表示]

  1. エクセルで給与計算をする方法

エクセルで給与計算をする方法

給与計算業務を効率化するためにエクセルを使って給与計算できるようにしたい場合があるでしょう。

エクセルはそういった事務的な計算がかなり得意であり、エクセルで給与計算できるようになれば給与周りの経理業務が大幅に効率化されます。

デジタル化されたタイムカードを利用してタイムカードのデータをエクセルにインポートできるような仕組みがあるならばさらに楽になるでしょう。

そこで今回はエクセルで給与計算する場合はどのように計算式を組めばいいのか、勤務時間・残業時間などの時間計算を含めながらサンプルコードと合わせて解説していきます。

アルバイト(時給制)

時給制のアルバイトの給与計算は簡単です。

エクセルでの給与の計算
コチラの表で給与を計算する場合、下記の計算式をE2に記述し、E3以下にコピーします。
=(D2-C2-B2)*24*$G$2

これで給与を計算できます。

1日の勤務時間は退社時間(D2)から休憩時間(C2)と出社時間を引くと求めることができ、「勤務時間×時給」を計算すれば1日の給与を計算できます。

計算の途中で24をかけている理由ですが、エクセルでは時刻に24を掛けると時刻から数字に変換できます(9:30なら9.5になります)。

1日の勤務時間が8時間を超えるとき

1日の勤務時間が8時間を超える場合、残業代の計算も必要です。

残業代が発生する時のエクセルでの給与の計算
ここでは残業代が発生する1月4日の勤務データを追加した表を使って解説します。
=(D2-C2-B2)*24*$G$2

まずは先ほど紹介した給与計算式をE列に記述して、残業手当を含まない給与を計算します。

残業代が発生する場合は残業手当を差分で追加する必要があるため、F2に以下の数式を記述し、F3以下にコピーしてください。

=MAX(0,(((D2-C2-B2)*24)-8)*$G$2*0.25)

少し複雑ですが、勤務時間が8時間を超えたぶんの経過時間を「時給×割増率(25%)」で掛ける計算となっています。上記計算をそのまま行ってしまうと1日の勤務時間が8時間未満だった場合の残業代がマイナスになってしまうため、最小値が0になるようにMAX関数を使用しています。

後は最終的な給与総額の計算で「給与+残業代」を求めれば残業代を考慮した計算が可能です。

1ヶ月の残業時間が60時間を超える場合など割増率が変動する場合もありますが、やっていることは足し算・引き算・掛け算をしているだけであり、関数を使うケースも残業代がマイナスにならないようにするためのMAX関数などごく一部のみです。

合計時間が24時間以上になるときの注意点

勤務時間の合計を計算する際は注意が必要です。

エクセルはデフォルトだと24時間で0時間に戻る書式設定になっていることがあり、27時間だと3時間というように表示されてしまいます(計算結果も狂います)。

この問題を解消する場合はセルの書式設定を変更しましょう。

セルを右クリックして[セルの書式設定]を開く
勤務時間の合計を計算しているセルを右クリックして[セルの書式設定]を開きます。
書式を[h]:mmに変更する
書式を[h]:mmに変更してください。これで24時間以上の時間も正常に表示できるようになります。

おそらく給与計算では必須ですので必ず勤務時間を計算するセルは書式設定を変更しておきましょう。

基本給+残業代(必要な場合のみ)

アルバイトなどの時給制ではなく、契約社員や正社員など基本給+残業手当という形で支払いを行っている場合、時給制で働いている時よりも少し計算が複雑です。

この場合での残業代の求め方は下記のとおりになります。

残業代=残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率

割増率は残業時間・深夜労働・休日労働によって変わりますので、労基法を元に正しい割合で計算するようにしてください。

残業代の計算
今回はわかりやすいように、基本給20万円・1ヶ月の所定労働日数20日・1日の労働時間が8時間を超えた日にちの残業代(割増率25%)について計算してみましょう。こちらの表のE列で残業代を計算してみます。

G列/H列に残業計算の軸となる基本給データを事前に用意しています(事前に判明する情報であるため)。

1時間あたりの基礎賃金の計算を自動化したい場合は下記の計算式を入力しましょう。

=G2/H2/(H4*24)

これで準備完了です。この状態でセルE2に以下の計算式を入力し、E3、E4へと続けてコピーしましょう。

=(D2-C2-B2-$H$4)*24*$G$4

これで1日の労働時間が8時間を超えている日のみ残業代が別で計算されます。こちらの計算式は基本給+残業代の計算におけるかなりシンプルなものとなっている(時刻計算もできる限りわかりやすく簡略化しています)ので、コチラの計算式をカスタマイズして使いやすくするといいでしょう。


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