SDカードには寿命がある
デジカメやドライブレコーダーにずっと取り付けていたSDカードが、ある日を境に全く動作しなくなってしまったという経験をしたことはありませんか?実は、SDカードには寿命が存在しています。SDカードには書き込み形式というデータを記録するための形式が存在しており、その書き込み形式によってデータの書き換え回数も異なります。
データの書き換え回数がSDカードにおける寿命となるため、データの書き換え回数をフルに使ってしまうと、それ以降SDカードは使えなくなってしまうのです。
この記事では、SDカードと寿命の関係や、寿命が長いSDカードはどれかをご紹介しています。
SDカードの書き込み形式の種類
SDカードには、書き込み形式が数種類存在しています。ここではメジャーな書き込み形式であるSLC・MLC・TLCについて説明します。
SLC(シングルレベルセル)
SLC(シングルレベルセル)は、一つの記憶素子(メモリセル)に1bitの「0・1」の2つの値を記録してデジタルデータを保存することができます。素子内の電荷があれば0・なければ1です。SLCは大容量化が難しいとされており、基本的に低容量・高価となります。
MLC(マルチレベルセル)
MLC(マルチレベルセル)は、一つの記憶素子に2bitの「00・01・10・11」の4つの値を記録してデジタルデータを保存することができます。素子内の電荷が最大であれば00・2/3ほどであれば02・1/3ほどであれば10・なければ11です。ドライブレコーダーやSSDといった頻繁に書き込みを行う機器に向いています。
TLC(トリプルレベルセル)
TLC(トリプルレベルセル)は、一つの記憶素子に3bitの「000」~「111」の8つの値を記録してデジタルデータを保存することができます。素子内の電荷が最大であれば000・なければ111です。microSDやデジカメ用のSDカードとして使われることの多い書き込み形式です。
SLC・MLC・TLCの見分け方はあるの?
SDカードのSLC・MLC・TLCの見分け方はあるのかどうか知りたいユーザーもいらっしゃるかと思います。これらの種類をパッと見て見分けるのは、実際の所は不可能です。メーカーが商品に記載していない限り、判断することはできないでしょう。
SDカードの書き込み形式毎に寿命は異なる
書き込み形式毎に寿命が異なる?
上記項目ではSLC・MLC・TLCの書き込み形式についてご紹介しました。これらの書き込み形式は、ただ書き込み方が違うだけでなく書き換えできる回数も大きく変わってきます。書き換え回数とはいわばSDカードの寿命で、書き換え回数が大きいほど寿命が長い・書き換え回数が少なければ寿命が短いといえるでしょう。
SLCの寿命
SLCの書き換え回数は約10万回と言われており、耐久性が非常に高いです。データ容量が少なく高価ではあるものの、他の書き込み形式と比較して使用年数の長さによる劣化を感じにくいので長期保存したいデータの保存用に向いているでしょう。
MLCの寿命
MLCの書き換え回数は約1万回と言われています。SLCと比較すると少ないように思えますが、一般的なSDカードとして流通しているのはほとんどがMLCです。つまり、一般のユーザーなら安心して利用できる書き込み形式と言えるでしょう。
TLCの寿命
TLCの書き換え回数は約1000回と言われています。MLCと比較すると一気に書き換え回数が少なくなりましたね。TLCは安価なものが多いですが、そのぶん耐久性を犠牲にしています。スマホなどで使うmicroSDはTLCのものが多いのですが、何度もデータの書き込みをするようなヘビーユーザーには向いていない書き込み形式と言えるでしょう。