リカバリーディスクとシステム修復ディスク
Windows10の調子が悪くなってしまった場合に、システムを修復するための方法としてリカバリメディアを用いて復元する方法があります。リカバリメディアには「リカバリーディスク」と「システム修復ディスク」の2種類がありますが、どっちも似たような感じがしますよね。
実際、この2つのディスクを混同してしまうユーザーは少なくありません。
ですが、リカバリーディスクとシステム修復ディスクは似ているように見えて全く別物です。
両者の違いに気づかず、システム修復ディスクで直るものをリカバリーディスクで初期化してしまい、余計な苦労をしてしまうことになったりすることもあるため違いは知っておいたほうがいいです。
それでは、Windows10のリカバリーディスクとシステム修復ディスクの違いを説明します。
リカバリーディスク
リカバリーディスクとは、パソコンをリカバリー(初期化)するためのディスクです。リカバリーディスクを使用すると、パソコンを初期化して工場出荷状態に戻すことができます。
工場出荷状態まで戻してしまうため、自分でインストールしたプログラムやデータの全てが削除されてしまいます。もしリカバリーディスクでリカバリーを行うのであれば、これらデータのバックアップは行っておきましょう。
一般に販売されているメーカー製のパソコンにはリカバリーディスクが付属していることがほとんどで、もしリカバリーディスクが付属していない場合はパソコンのハードディスクなどストレージ内にリカバリー領域というものが内蔵されていることがほとんどです。そのリカバリー領域を使ってリカバリーディスクを作成することができますよ。
システム修復ディスク
もう一つのリカバリメディアが「システム修復ディスク」です。Windowsが正常に起動できなくなってしまった時に修復を行う機能として「システム回復オプション」というものがあるのですが、システム回復オプションを呼び出せないほどWindowsが正しく起動しない場合、システム修復ディスクを使うことでシステム回復オプションを実行できるようになります。つまりシステム修復ディスクは「復元ディスク」といった感じですね。
Windowsのシステムを元の状態に修復するのが「システム修復ディスク」なので、工場出荷状態に戻すリカバリーディスクとは全く役割が違います。
リカバリーディスク(システムイメージ)の作成方法
それでは、リカバリーディスク(システムイメージ)の作成方法をご紹介します。リカバリーディスクを作成するのに必要なメディアは「USBメモリー」です。
以前はCD・DVDも利用できましたが、Windows8以降からはUSBメモリーでの回復ドライブの作成が推奨されていますのでUSBメモリーでのリカバリーディスクの作り方を説明します。使用するUSBメモリーは16GBの容量のものを用意しましょう。不安であれば16GB以上の容量のものを用意するとベストです。
リカバリーディスク(システムイメージ)の使い方
Windows10を工場出荷状態に戻すには、作成したリカバリーディスクを使ってパソコンをリカバリーしてみましょう。
まずは、リカバリーディスクを作成したUSBメモリーをパソコンのUSBポートに接続しましょう。そして電源ボタンを押して電源をオンにします。
Windows10の再インストールは1時間から2時間と、非常に時間がかかります。
再インストールが完了するとWindows10の初期設定が始まるので、地域設定・ライセンス契約書への同意・ユーザーアカウント登録・パスワードの作成・セキュリティ用質問設定などを行い初期設定を完了させましょう。
再びWindows10が使用できるようになります。
システム修復ディスクの作成方法
Windowsが正常に起動できなくなってしまった時に必要になる「システム修復ディスク」の作り方をご紹介します。
システム修復ディスクを作成するのに必要なメディアは「CD-R」や「DVD-R」といった光学メディアです。
システム修復ディスクの作成に必要な容量は200MBあるかどうかなので、CD-Rで十分事足りる容量です。DVD-Rを利用するようなことはほぼないでしょう。
作成したシステム修復ディスクは、Windows10の復元ディスクとなるので大切に保管しましょう。
システム修復ディスクの使い方
システムに問題が発生して、システム修復を行う前にWindows10を正常に起動できなくなってしまったら、システム修復ディスクを使ってみましょう。
まずは、ディスクドライブにシステム修復ディスクを入れてパソコンを起動します。続いてマザーボードのロゴやメーカーのロゴが表示されたら「F8キー(PCによって違う場合もあり)」を連打しましょう。これで詳細オプションを呼び出します。詳細オプションを開いたら「コンピューターの修復」を選択して、「システム修復ディスク」で起動しましょう。
システム修復の方法は「システムの復元」「イメージでシステムを回復」「スタートアップ修復」「コマンドプロンプト」の4つがあります。以下にそれぞれの項目について説明を行います。
システムの復元
「システムの復元」は、Windowsの機能である「システムの復元」を使って作成されている復元ポイントまでシステムを戻すことができます。
事前に復元ポイントを作成しておく必要がありますが、復元ポイントは基本的に自動生成されるので使えないケースに遭遇することは少ないでしょう。
イメージでシステムを回復
「イメージでシステムを回復」は、事前に作成したシステムイメージファイルから復元を行う方法です。
ストレージ上にイメージファイルを作りバックアップすることができますが、数十GBもの容量を使うためストレージの容量を空けておく必要があります。
スタートアップ修復
「スタートアップ修復」は、通常はWindowsが正常に起動しなかった場合に実行される機能です。
ただし、修復にかなりの時間を要する場合がある・一度では修復に成功せず何度か実行する必要があるなどの点に注意しましょう。
コマンドプロンプト
「コマンドプロンプト」は、Windowsのコマンドプロンプトをそのまま利用できる機能です。自分でコマンドを使って修復する場合は、このコマンドプロンプトを利用しましょう。