Excelで四捨五入・切り捨て・切り上げをする関数はそれぞれ異なる
Excelには数値の四捨五入・切り捨て・切り上げをカンタンに行える関数が用意されています。
それぞれ
- 数値の四捨五入を行うROUND関数
- 数値の切り上げを行うROUNDUP関数
- 数値の切り下げを行うROUNDDOWN関数
これら数値に関する関数を挿入する方法は大きく分けて2つあるので、これから関数の歌い方について見ていきましょう。
Excelで四捨五入・切り捨て・切り上げをする方法
Excelで四捨五入など小数点以下の切り上げ・切り捨て処理を行う場合は関数を使うことが一般的です。
ですが、Excel機能の一つである「表示形式」を使うことで関数を使わずに四捨五入できる方法もあります。
ただ四捨五入された数値を確認したいだけであれば「表示形式」を使う方法がカンタンですが、いくつかデメリットが存在します。
ですのでまずはROUND関数などの関数を使ったやり方を解説します。
ちなみに関数の書き方は、関数名以外どれも同じです。
なので今回はROUND関数を使って解説していきます。
関数リストから挿入する場合
初心者の場合はこちらの方法がおすすめです。
Excelにはカンタンに関数を使える関数リストが用意されており、関数の仕組みを全く理解していなくても四捨五入用のROUND関数などを使えるようになっています。
すると関数が一覧表示されます。
このときはじめからテキストボックスに入っている文章を消しておくようにしてください。
ちなみに[OK]を押さずに関数名をダブルクリックすることでも[OK]を押したときと同じ動作をします。
ここで「数値」には実際に四捨五入を行う元の数値を入力します。
その下にある桁数には小数第何位で四捨五入を行うのかを指定します。
この時気をつけなければならないのが、桁数に入力する数字です。
ROUND関数は「0」を小数第一位と処理するようになっており、桁数に「0」を入力すると、小数第1位で四捨五入行って結果を整数で返すということになります。
例えば数値に「4.48」桁数に「0」を入れた場合の四捨五入結果は「4」となります。
ROUND関数で言う桁数は四捨五入を行う桁というより、四捨五入されたあとに残る小数の桁数と考えるといいでしょう。
例えば数値を「4.48」桁数を「1」にすると四捨五入結果は「4.5」となり、四捨五入結果の小数点以下の桁数が1桁となります。
セルを参照したい場合
四捨五入したい数値を直接入力するのではなく、既にExcelシートに書き込まれている数値を参照したい場合もあるでしょう。
このように自動的にセル情報が数値に書き込まれ、ROUND関数にも反映されるようになります。
複数セルの数値を合計したいものを四捨五入したい場合はCtrlキーやShiftキーを押してクリックするなどで複数選択します。
「四捨五入」と検索をかけるとカンタン
こちらのテキストボックスに以下のキーワードを入力することで絞り込むことがきます。
- ROUND関数:「四捨五入」と検索
- ROUNDUP関数:「切り上げ」と検索
- ROUNDDOWN関数:「切り捨て」と検索
そのため一文字も関数名覚えていない場合は、関数選びは間違えてしまう可能性があります。
幸いにも四捨五入や切り上げ・切り捨てを行う関数で「R」から始まるものは「ROUND関数・ROUDUP関数・ROUNDDOWN関数」のみです。
ですので、最低限「Rから始まる関数」と覚えておくと間違えることがなくなるでしょう。
セルに直接書き込む場合
セルに直接関数を書くことに慣れている方はこちらの方がスピーディーに対応できます。
ROUND関数の書式は以下のとおりです。
=ROUND(四捨五入する数値,四捨五入する桁数)
※桁数は0を1桁目とする。
例えば「=ROUND(4.48,0)」と書き込んだとします。
この場合は小数第一位を使って四捨五入が行われるので、計算結果は「4.0」となります。こちらの方法は慣れるととても楽な方法ですが、書き方を1つでも間違えるとエラーになってしまいます。
関数を直接書くことに慣れたい場合にはおすすめしますが、そうではない場合は関数リストから挿入する方法が確実です。
特に関数の引数の順番を間違えると計算結果が大きく狂うので注意が必要です。
Excelの「表示形式」で四捨五入をする方法
記事の前半でも少し触れましたが、わざわざROUND関数を使わなくても四捨五入された数値を自動的に表示させる方法があります。
それが「表示形式」を使った方法です。表示形式を使った方法は数クリックで行う方法と細かく設定する方法の二つ用意されているのでそれぞれ見ていきましょう。
カンタンに四捨五入を行う方法
ただ単に四捨五入を行う時であればとてもカンタンです。
まずは四捨五入を行いたいセルを選択しておきます。この際複数選択していても問題ありません。
これら2つのアイコンをクリックすることで表示する小数点以下の桁数を調整することができます。
2つのアイコンのうち左側をクリックすると小数点以下の桁数が一つ増え、右側をクリックすると表示する小数点以下の桁数が1つ減ります。
詳しくは後述していますが、セルの範囲に収まらないくらい表示する小数の桁数をを増やした場合は、セルの範囲に収まるように自動的に四捨五入されます。
細かく表示形式を変更する方法
表示形式をプレビューしながらより細かく設定したい場合はこちらの方法を使います。
「ここで指定した桁数+1」の小数が四捨五入されるようになります。
例えば「小数点以下の桁数」を「2」にした場合、小数第三位が四捨五入されて、小数第2位まで表示されるようになります。
小数に関する設定が終わったら[OK]をクリックしてセルに反映させます。
ちなみに表示形式で行えるのは四捨五入のみで、切り上げ・切り捨て処理はできないので注意してください。
切り上げ・切り捨て処理は、初心者なら関数リストから挿入して計算するようにしましょう。
桁数が多い場合は自動的に四捨五入されている
Excelはセルに収まりきらないくらい小数の桁数が多いとき、表示形式の設定に関わらず自動的に四捨五入されています。
このように意図せず四捨五入が行われて正確な数値が表示されてしまう可能性があるので、使い方によっては注意が必要です。
特に他のセルから参照する場合は特に気をつけておく必要があります。
ほかのセルから参照する際は注意
こちらの方法は見た目上の数値を四捨五入しているだけであるため、表示形式で四捨五入した数値を参照して計算すると、計算間違いが発生します。
こちらはA10+B10をC10セルに表示しているものです。
普通に計算したら答えは「5」になるはずですが、なぜか「6」になっています。
このように表示形式による四捨五入は計算間違いによるトラブルのきっかけとなってしまうため、絶対に触ることがない数値以外はExcel「表示形式」を使った四捨五入は避けるようにしましょう。
特に金額計算などで消費税を考慮していた場合、高確率で小数が出てくるため、データ量が多いと大きな誤差が生まれます。
その影響で無駄な作業や仕事が増えてしまいかねないので、セルの幅による自動四捨五入や表示形式を使った四捨五入の仕組みをしっかり理解しておくようにしましょう。
理解しておくことでこのようなトラブルが発生したとしても、原因を推測して解決がスムーズになるメリットがあります。