ボーカルカットとは?
ボーカルカットとは、歌声が乗っているオンボーカル音源からボーカルのみを取り除きことをいいます。
デジタル音源では音の組み合わせによって位相反転という現象が発生することがあり、その現象を応用したものがボーカルカットとなります。ボーカルキャンセラーというものもボーカルカットと同じです。
ボーカルカットをすることで、オフボーカル音源を作成することができ、カラオケの練習などに役立てることもできます。また、ボーカルカット機能が搭載されているソフトウェアはボーカルだけ残すボーカル抽出機能も搭載されていることが多いです。
Audacityもボーカルカットができるフリーソフトを一つです。この記事ではAudacityについて取り扱っています。
Audacityのボーカルカットの注意点
Audacityでボーカルカットするにあたって注意しなければならないポイントがいくつかあります。
完全にボーカルカットされるわけではない
既にインスト音源とボーカル音源がミックスされた音源に対して無理やりボーカルカットすることになるので、いつボーカルが完全に削除されることはありません。
聴き込むと少しだけボーカルが聴こえたり、バックコーラスがそのまま残っていることもあります。ですのでボーカルカット機能を使えばオフボーカル音源と同じ音源が手に入るということはありません。
音が劣化する
ボーカルカットをすると、ボーカル以外の細かな音も多少は影響を受けるため、音源全体の音質が劣化します。
音質劣化を防ぐことは仕組み上不可能ですので、多少の音質劣化は我慢するようにしてください。
無音になってしまうことがある
ボーカルカット技術は位相反転という仕組みを応用したものといいましたが、その影響で音源全体が無音になってしまうことがあります。
ボーカルカットの仕組みは「特定の音を消す」を応用した技術であり、「ボーカルだけを残す」仕組みではありません。そのため、偶然「特定の音」にボーカル部分以外の部分が当てはまった場合はそちらも消えてしまいます。
インスト・アウトロなどボーカルが入っていない再生位置で起きやすい現象であるため、その現象が発生する場所を除外してボーカルカットを行う必要があります。
Audacityでボーカルカットをする方法
Audacityでは簡単にボーカルをカットできるボーカルキャンセラーが用意されています。まずはボーカルをカットしたい音源をAudacityに読み込ませておきましょう。
音源全体のボーカル部分をカットしたい場合は、波形のどこかをクリックして選択状態にし、[Ctrl+A]キーを押してください。これで音源全体が選択された状態になります。
Audacityのバージョンによっては[Vocal Remover]・[ボーカルキャンセラー]となっていることがありますので注意してください。
これでボーカル部分だけがカットされたはずです。ですが完全にボーカルをカットすることは不可能で、音源によってはボーカル以外のインスト部分まで消えてしまうことがあります。
どれを使うのが最適なのかというものはなく、音源によって最適な設定が異なります。ボーカルがかなり強調されている音楽で、なかなかボーカルが消えないという場合は「強度」などのパラメーターも調整してみてください。