Windows10のcipherコマンドとは?
Windows10では、コマンドプロンプトで「cipher」コマンドを使用することができます。cipherコマンドを使用すると、ストレージの暗号化機能の制御を行うことができます。また付加機能として、ディスクワイプ機能が用意されています。このディスクワイプ機能を使用することで、HDD・SSDなどのストレージのすべてのセクタに対してデータを上書きして、ストレージを使用不能にすることができます。
ストレージを廃棄する場合は、データを削除して空き容量を作成するだけでは危険です。cipherコマンドを使用してディスクワイプを行い、空き容量を完全に使用不能にしましょう。この記事では、Windows10のcipherコマンドの使い方とオプションをご紹介していきます。
cipherコマンドの使い方
cipher [オプション] ファイル名 / ディレクトリ名
このコマンドの注意点ですが、NTFSのドライブのみが対象となっており、FATでは利用することができません。また空き容量しかディスクワイプできないので、ストレージの廃棄に使用するのであれば事前に手動でデータを削除する必要があります。また、完全削除が行われた後に「完全削除したのかを確認する」ことはできないことを覚えておきましょう。
cipherコマンドのオプション
cipherコマンドで使用するオプションは下記の通りとなります。
- /A:ディレクトリとファイルの両方に対して実行する。
- /D:指定したディレクトリの暗号化を解除する。また、新規作成・追加されるファイルは暗号化しない。
- /E:指定したディレクトリを暗号化して、新規作成・追加されるファイルを暗号化する。
- /F:指定されたファイルとディレクトリを強制的に暗号化・暗号化解除する・すでに操作を行ったファイルとディレクトリに対しては何の操作も行わない。
- /H:隠し属性・システム属性のファイルを表示する。
- /I:エラーが起きても、指定した処理を続ける。
- /K:cipherコマンドを実行しているユーザーに対して新しい暗号化キーを作成する。このオプションを指定すると他のすべてのオプションを無視する。
- Q:重要な情報だけを表示する。
- /S:ディレクトリ:指定したディレクトリとサブディレクトリすべてに対して、指定の処理を行う。
- /U・/N:/U・/Nオプションと併用して、ドライブ内のすべての暗号化ファイルの一覧を表示する。
- /R:ファイル名:新しい回復エージェントの証明書・秘密キーを生成して指定したファイルに保存する。
- /W:ディレクトリ:指定したディレクトリがあるドライブの未使用エリアに対して完全消去処理を行う。このオプションを指定すると他のすべてのオプションを無視する。