Windows10とWindows7の違いを知りたい
2018年現在、世間一般で販売されているWindowsパソコンのOSは「Windows10」です。ですが、この1世代前のOSである「Windows7」のパソコンを使っているユーザーも多いのが現状です。OSは基本的にバージョンアップすると操作感がガラリと変わるので、パソコンを買い替えたいけどWindows7と10でどれぐらいの違いがあるのか不安になると思います。
今回の記事では、パソコンをWindows7からWindows10に買い替えた筆者によるWindows7とWindows10の違いや変更点を説明して、どちらのOSがおすすめなのかをご紹介いたします。
Windows10とWindows7の違いを比較!
Windows10とWindows7の違いですが、スタートメニュー以外の操作部分ではかなり変わった!というような印象は受けていません。デザインの違いはありますが、大きく違うと思ったのはスタートメニューの操作感でしょうか。OSの概要とスタートメニューの操作感について説明します。
OSの概要
Windows7
Windows7は2009年に発売されたパソコン用のOSです。前バージョンの「Windows Vista」のアップデート版であり、タスクバーのアイコン化やスタートメニューの大幅な変更が行われたモデルです。Vista時代に比べてPCの性能が向上しており、OSが十分に動作しないということがなかったため安定した評判を得ています。未だにこのWindows7を使用しているユーザーや企業は多く、馴染み深いのではないでしょうか。
Windows10
Windows10は2015年に発売されたパソコン・8インチ以上のタブレット用OSです。前のバージョンであるWindows8から「新世代のWindows」として9を飛び越し10と命名された経緯を持ち、デザインやユーザーインターフェースの刷新・音声認識アシスタント「Cortana」の搭載など、今までのWindowsのバージョンアップ以上に進化を遂げたOSです。
スタートメニューの使用感
Windows7のスタートメニューはよく使うアプリケーションを表示させるほか、「すべてのプログラム」から使いたいプログラムを探しやすいシンプルなユーザーインターフェースです。
正直な所、操作性ではWindows7に慣れているユーザーにとってはWindows7のスタートメニューのほうが使いやすい印象があります。
Windows10は表示が大きく、タイルには不要なアプリケーションもずらりと並ぶので内容を編集できると言っても現時点では使いやすさを感じるよりも邪魔に思うことのほうが多いです。
タブレット使いの場合は便利かもしれませんが、パソコンだと1画面における情報量が少なくなるのがデメリットとなります。
Windows10で新たに追加された機能
SSDの自動認識・最適化機能
Windows10では標準でSSDを認識・Trim機能に対応しているためSSDをメインストレージにする場合のメンテナンスに苦労することはありません。
一方でWindows7でSSDを使う場合デフラグツールの設定を変更するなど気をつける点が多かったのですが、Windows10では一切不要です。
高速スタートアップ
高速スタートアップはWindows7の「ハイブリッドスリープ」をパソコンの起動時にも適用したようなもので、Windowsをシャットダウンする時にCPUやメモリの状態を保存してシャットダウンする機能です。
OSの起動時には通常OSの読み込みや初期化が行われるのですが、高速スタートアップを使うとそれらの作業をスルーして保存した状態を読み込むため、即座に起動することができます。SSD環境だと高速スタートアップを使わなくても10秒程度でデスクトップ画面が表示されるため違いが分かりづらいですが、HDD環境の場合はかなりの恩恵を受けるでしょう。
Windows10の高速スタートアップについてや無効・有効の変更方法については下記の記事を参考にしましょう。
Microsoftアカウント
Windows10では、パソコンの管理に今まで使用していたユーザーアカウント(ローカルアカウント)の他に、Microsoftアカウントを使うことができるようになりました。Microsoftアカウントを使うことで他のWindowsパソコンとの同期を行い、エクスプローラーやデスクトップ・キーボードやマウスなどの設定を同期することができます。
また、MicrosoftのサービスであるOutlook・Office365・OneDriveと連携を行うことができるほか、ストアアプリを利用できるようになります。
タブレットモード
タブレットモードではデスクトップがなくなり、スタートメニューのタイルが全画面で表示されます。また、アプリケーションも全画面表示になるのでまさにタブレットのようにタッチ操作を行いやすいモードです。
Continuum
上記で説明したタブレットモードとデスクトップモードを、キーボードなどのデバイスが接続されているかどうかを認識して切り替えてくれる機能です。Mircosoftのノートパソコン「Surface」のように、タッチ操作もキーボード操作も行えるといった環境でわざわざモードの切り替えを手動で行わなくても済むようになるため楽ですよ。
OneDriveの標準搭載
Microsoftの提供するクラウドストレージサービス「OneDrive」のクライアントアプリが標準でインストールされており、Microsoftアカウントを使うことで簡単にOneDriveを利用することができます。
OneDriveが必要ないという方も多く、そう思っている方はぜひ下記の記事を参考にしてみましょう。
Windows Hello
Windows10にサインインする新しい方法として「Windows Hello」が実装されました。Windows Helloは、顔認識や虹彩認識・指紋認証によってサインインを行うことができる機能なので、従来のパスワードによるサインインよりも安全・安心です。
Windows Helloを使用するには対応した指紋認証デバイスやWebカメラなどを用意する必要がありますが、セキュリティを万全にしたいユーザーにおすすめの機能です。
Microsoft Edge
Internet Explorerに変わるブラウザとして「Microsoft Edge」が標準搭載されています。Internet Explorerと異なるレンダリングエンジンを搭載したことにより、かなり軽快に動くようになったブラウザなので、特にブラウザにこだわりはないけどInternet Explorerは性能が低くて使いたくない…というWindowsユーザーの悩みを解決してくれます。
Cortana(コルタナ)
Cortana(コルタナ)もオン/オフの切り替えをしたいという方が多く、その方法について下記の記事で紹介していますのでぜひ必要な方は参考にしてみて下さい。
Microsoft Store
もちろん今までどおりにインターネット上からアプリケーションをダウンロードして利用することもできますが、Microsoft Storeの存在はパソコンに不慣れな人やライトユーザーにはありがたいのではないでしょうか。
Hyper-V
Windows10 Proには、仮想PC機能である「Hyper-V」が利用できます。デスクトップ上でただ仮想OSを動かすのではなく、CPUやメモリまで割り当てることのできる高機能仮想PCです。ただし、HomeエディションではHyper-Vは使用できない点に注意しましょう。
Windows10で廃止された機能
デスクトップガジェット
Windows7とVistaで利用できたサイドバーガジェットが、重大な脆弱性があるとのことで提供が終了しています。これまで通りガジェットを使いたい場合はWindows Storeから似たようなアプリケーションを探すか、フリーソフトなどで代用しましょう。
Windowsエクスペリエンスインデックス
自分のパソコンの性能を評価してくれるツール「Windowsエクスペリエンスインデックス」が表示されなくなり、他の評価ツールを導入するか「Windows PowerShell」からコマンドを入力しなければ見れないようになってしまいました。
ブリーフケース
Windows95からWindows7まで搭載されていたファイル同期機能であるブリーフケースも、Windows10では廃止されています。Microsoftの提供するクラウドストレージサービスであるOneDriveのクライアントアプリが標準でインストールされているので、そちらで代用しましょう。
Windows Journal
タブレットで手書き入力を行えるノート機能であるWindows Journalが廃止されています。後継となるアプリケーションは「OneNote」となっています。
XPモード
Windows7のProfessionalなどに存在していた「XPモード」が廃止されています。仮想PCを利用するにはWindows10 Proの「Hyper-V」を使う必要がありますが、XPのライセンスを購入しなければならないため無料では利用できません。
Windows7のXPモードの詳細については下記の記事を参考にしてみて下さい。
Windows Media Center
DVD再生ソフト「Windows Media Center」が搭載されなくなったので、DVDビデオを再生したい場合はフリーソフトなどを導入して代用する必要があります。
デジタル著作権管理
Windows Media PlayerでCDをデジタル化する際に「DRM保護」を付けていた場合、Windows10ではそれらのファイルを再生することができなくなってしまいました。もしDRM保護を付けてデジタル化してしまった場合は、Microsoftが用意しているDRM保護解除ツールを使う必要があります。
Windows10とWindows7はどっちが軽い?
Windows10と7で動作の軽さについて気になる方も多いと思いますが、結論から言ってしまうと「Windows10のほうが多少軽い」といった形になります。
Windows10のOSの中核であるカーネルはWindows7の後継版なので、Windows7より進化しているため外部機器の接続のレスポンスがちょっとだけ早い、メモリ周りの処理が軽いといったところでしょうか。
ただ、64bitアプリケーションの動作はWindows10の方が軽いと感じますし、特に違いが顕著なのが「高速スタートアップ」です。
Windows7環境ではPCの起動に数分待たされるというのは日常茶飯事で、ヘビーユーザーだとシャットダウンせず起動しっぱなし・スリープを使うなどでごまかしていたのですが、Windows10の起動速度はHDD環境でも7の半分くらいで起動しますし、SSD環境なら電源ボタンを押して10秒程度で起動終了します。PCの起動時間を短縮したいのであればWindows10一択でしょう。
Windows10とWindows7のどちらのOSがおすすめ?
Windows10とWindows7の違いや10における新機能などをご紹介してきましたが、ここで「Windows10とWindows7のどっちのOSがおすすめなのか」について触れていきたいと思います。
一般的なユーザーなら、間違いなくWindows10をおすすめできます。何故なら、Windows7の後継OSであり使い勝手が向上しているため、旧バージョンOSのWindows7をおすすめする理由がないからです。アプリケーションなどの機能も強化されており今の時代のニーズに合わせて作られているため、使いやすさを考慮して比較してもWindows10のほうが勝ります。また、Windows7搭載のPCはもう正規の手段で入手しづらくなっているため、中古で入手しようにも値段が高騰しているなどコストに合わない状態になっています。
サポート期限
そして重要なのが「サポート期限」です。
OSにはサポート期限というものがあり、この期限の間は更新プログラムの配布などのサポートが行われるのですが、Windows7は「2020年1月14日」にはサポートが打ち切られてしまうため、それ以降にセキュリティの脆弱性が見つかっても保証されることはなく、インターネットに接続して使う場合かなりのリスクを負ってしまいます。
Windows10のサポート期限は「2025年10月14日」なので、セキュリティ面を考慮してもこれからパソコンを購入するのであればWindows10をおすすめします。