CPUの種類と性能
CPUには種類や世代によって大きく性能が異なります。
最新のCPUでも種類によっては最高性能というわけではなかったり、数年前に登場したやや古いCPUが超高性能で、未だに現役で使えるということもあります。
例えばIntelの場合はCore i5やCore i7というような種類・ブランドがありますが、その中でも世代によって大きく性能が違います。
上記の例でいうと、Core i5やCore i7より性能が低い種類のCPUですが、世代差次第ではCore i5の方がCore i7 CPUより高性能になることも少なくありません。
IntelのCPUの種類と世代の比較
IntelのCPUは、種類や世代の違いが複雑に絡み合います。
続いてはIntelのCPUにはいったいどのような種類があり、第何世代まで登場してるのか見ていきましょう。
種類と性能の比較
前半で触れているように、CPUは非常に多くの種類が存在します。Intelだけでも非常に種類が多く。以下のシリーズが展開されています。
- Atom
- Celeron
- Pentium
- Core 2 Duo
- Core 2 Quad
- Core i3
- Core i5
- Core i7
- Core i8
- Core X
- Xeon
Atom
性能と消費電力が最も低いCPUがAtomシリーズの CPU です。超低価格のパソコンに利用されることもありますが、家電製品などにも使われることが多いです。
使用電力が極めて少ないため、CPUをフル稼働させても消費電力は驚くほど小さく、省エネ効果が重視される製品によく使われています。
そのため個人向けに販売されることはめったになく、Atom CPU単体で売られているのを見かけることはまずないでしょう。
Celeron
低スペックな格安パソコンでよく使われるのがCeleronシリーズのCPUです。処理性能やCPUとしての機能をかなり抑えたものとなっており、低価格なタブレットでもよく使われます。
Pentium
Celeronより性能が高い格安CPUという立ち位置なのがPentium CPUです。
Pentium CPUはメジャーなCore iシリーズの中でも一番性能の低いi3シリーズよりもスペックが低いかわりに、低価格で入手しやすいメリットがあります。
性能はかなり低いのでゲームや編集作業をするパソコンには全く向いていません。事務処理など負荷が少ない用途で使うパソコン向けです、
Core 2 Duo
Core i5やCore 2Quadが主流になる前に使われていた種類のCPUです。現在は新規に開発されておらず、事実上Core i5がCore 2 Duoのポジションに置き換わっています。そのため、流通しているものは中古品のみという状態です。
当時は高性能でしたが、今では全く時代に追いつけておらず最新のハイスペックCPUと比較すると10倍以上の性能差があります。
Core 2 Quad
Core 2 Quadは当時のCore i7 CPUのような高性能CPUでしたが、今は見る影もありません。
4つのコアを同時に使えるCPUとしてモバイル向けに販売されていましたが、現状は世代交代という形で姿を消したIntel CPUの一つです。
Core i3
低性能ではないけど高性能というわけでもないCPUがCore i3シリーズのCPUです。
昔はCore i5・Core i7と名乗れるくらいの高性能CPUでしたが、時代が経つにつれて相対的に性能が低くなったものがCore i3というブランドになっています。
そのため、今現在メジャーなCore i7シリーズのCPUも、時代の流れでCore i3に変わって廉価版として売られているかもしれません。
Core i5
中程度の性能を誇るのがCore i5 CPUです。中程度といっても処理性能不足になることはほとんどなく、特にデスクトップPC向けのCore i5 CPUはかなり高性能です。
低スペックで後悔するのは嫌だけど、ハイスペックはハイスペックで使いこなせる気がしないという場合はCore i5がちょうどいいでしょう。
Core i7
市販されているパソコンの中で、高性能と言われるパソコンに搭載されているのがi7です。
一般的な用途だとi7程度がちょうどよいスペックであり、価格と性能のバランスが程よく取れたCPUです。とりあえず高性能パソコンが欲しいという方はCore i7を目安にするといいでしょう。
Core i9
現状一般的なCore iシリーズの中で性能が高いのがi9です。最もグレードが高いCoreシリーズは後述するCore Xシリーズですが、一般的な用途や流通を考えるとCore i9が性能が非常に高い一般向けCPUです。
高性能なGPUを使っている環境(RTX 2080Ti 2枚差しなど)でもGPUの性能をフルに発揮できる程度の性能を誇っており、よっぽど無茶な使い方や負荷のかかる処理(レンダリングなど)をしていない限りは十分すぎるくらいでしょう。
Core X
Core i9よりも性能が高いのがCore XシリーズのCPUです。XシリーズはCoreシリーズの中で最高ランクに属するCPUであり、CPU一つで10万円を超えるくらい高価格です。
ですが、VFX・3D・モーショングラフィックスなどなど高い処理性能を必要とする作業も快適に行えます。
ただただハイスペックを要求する3Dゲームを遊ぶだけなら弄ぶレベルの性能であり、3Dモデラーなど高い処理性能を必要とするクリエイターに向いているCPUです。
ちなみ、厳密な商品名は「Core i9~X」となっていますが、れっきとしたXシリーズであり、Intelが個人向けに販売しているCPUの中では最も性能の高いシリーズのCPUです。
Xeon
主にWebサーバーなど安定性が極めて重要視される環境で使用されてCPUです。主な用途が個人用ではなく企業向けであるため、価格は極めて高いです。
シンプルなシングルスレッド性能だけでいうとCore i9よりも劣りますが、高い拡張性能を誇っており、一つのマザーボードに2つのCPUを搭載して性能アップを図ることも可能です。
これはXeonのみに許された「マルチソケット」という機能によって実現されており、単純性能では優秀なCore i9どころかCore Xシリーズではできない荒業です。
この荒業を駆使すれば、実用時の性能はCore Xシリーズを凌駕するでしょう。
Xeon CPU単体の単純性能やメリットを考えると個人で利用するメリットは皆無ですが、このサイトを運営しているサーバーなどでは大変重宝するシリーズのCPUです。
世代の違い
Intel i3・Intel i5・Intel i7・Intel i9...
Intelだけでもたくさん種類があることがわかったはずです。ですが、種類だけでなく世代の違いもしっかり存在します。
CPU名を見ると「i3 7700」「i3 8100F」のようにCPUの種類とは別で数字やアルファベットが必ず付いています。
簡単に言うとこの数字こそが世代の違いで、数字が高ければ高いほど新しい世代のCPUということになります。
例えば同じIntel i3 CPUでも、後ろの数字が「2000」と「9100」のように大きく離れていると、同じ種類とは思えないくらいの性能差が生まれます。
このように、後ろの数字さえわかれば世代がわかるようになっており、世代ごとの番号は以下のとおりです。
第1世代 | 1000番未満 |
第2世代 | 2000番台 |
第3世代 | 3000番台 |
第4世代 | 4000番台 |
第5世代 | 5000番台 |
第6世代 | 6000番台 |
第7世代 | 7000番台 |
第8世代 | 8000番台 |
第9世代 | 9000番台 |
第10世代 | 10000番台 |
現在は第10世代が最新ですが、まだまだ流通しているものは少ないため知っている人はほとんどいません。
また、IntelのCPUは1000番ごとに世代が変わると覚えておくといいでしょう。
型番・名前からどのようなCPUなのか分かる
CPUの名称は数字とアルファベットが組み合わされた型番がつけられていますが、これにはちゃんと意味があります。
例えば「インテル Core i9-9900KS」の場合、
- インテル:開発企業名
- Core i9:CPUシリーズ・ブランド
- 9900KS:型番
そのため、見方さえ分かれば、
- どこの企業が開発しているCPUで、
- どのシリーズの
- 第何世代のCPUなのか
また、型番最後に付いているアルファベットもちゃんと意味があります。
- Q:クアッドコア(4コア)
- M:モバイル用。ノートパソコンで使われるCPU
- U:超低電圧。ウルトラブック(Intelが開発しているノートパソコン)用
- X:最上級モデル。事実上のCore Xシリーズ
- XM:最上級モデルのモバイル版
- QM:クアッドコアのモバイル版
- LM:低電圧版。モバイル用
- S:低電圧版。デスクトップ用
- T:超低電圧版。デスクトップ用
- K:最大クロックスを調整できる
- G:内蔵グラフィックCPUという意味。Pentium・Celeronのみで使われる表記でCore i3などほかの種類のCPUには付けられない
- P:元は内蔵グラフィックCPUだが、グラフィックス機能を取り除いたバージョンのCPU
CPUの種類の調べ方
今使っているパソコンがどの CPU を使ってるのか調べるのはとても簡単です(ここではWindows10で確認する方法を解説しています)。
「システム」を選択します。
CPU以外の性能も全て確認したい場合は別の方法で確認できるので、気になる方は以下の記事を参考にしてください。