音楽ファイルの形式には様々な種類がありますが、皆さんは「wav」ファイル形式の音楽ファイルがどういうものかご存知でしょうか?リッピングの際に選択すると、mp3ファイルよりもファイルサイズが大きくなる、くらいの印象の方も少なくないかと思います。そこで、簡単にwavファイルというものについて説明していきます。
wavとはマイクロソフトとIBM(International Business Machines Corporation)によって開発された音声データ用のフォーマットです。Windowsで主に使用されており、拡張子は「.wav」となります。wavでリッピングしたファイルは非圧縮になるので音質は非常に高い(音楽CDと遜色ない)のですが、その代わりにファイルサイズもかなり大きくなります。
wavとmp3の違いを比較
上記でwav形式のファイルについて簡単に説明しましたが、一般的に広く使われているファイル形式の「mp3」と比べるとどこが違ってくるのか気になる方も少なくないかと思います。そこで、wav形式のファイルとmp3形式のファイルの違いについて解説していきます。
まずはそのファイルの成り立ちです。wavファイルは無圧縮ですが、mp3ファイルは非可逆圧縮で圧縮されているファイルです。そのためwavファイルは現代で言うハイレゾ音源の一種に当たるほど高音質なのですが、無圧縮のデメリットとしてファイルサイズがかなり大きくなるということが挙げられます。5分程度の録音データの場合、最低でも50MBほどのファイルサイズとなります。設定によってはそれ以上にもなりえます。一方のmp3ファイルは非可逆圧縮で人間の可聴域の外にある音をカットすることによってファイルサイズをCD・wavファイルの1/10ほどに抑えることができますが、そのぶん音質が劣化しています(音楽CDのビットレートは1142kbps・mp3は最大で320kbps)。ただ320kbpsでも人間が聴く分には音質の劣化を感じづらいので、オーディオに凝っている人でなければwavファイルとmp3ファイルの違いに気づきにくいでしょう。
wavファイルとmp3ファイルの圧縮されているかどうかの違いも強い影響があります。wavファイルは無圧縮なのでここからmp3を始めとした他のファイル形式にエンコードすることが可能ですが、mp3ファイルは例えwavファイルにエンコードしたとしても音質を上げることはできません。もし普段音楽CDをmp3でリッピングしている人がハイレゾ音源対応の音楽プレイヤーを買って高音質を楽しみたいという場合は、wavファイルでリッピングし直す必要が出てしまうわけです。逆に普段wavファイルでリッピングしている人がファイルサイズが大きいからmp3にして容量削減したいという場合には、なんのデメリットもなくmp3ファイルにエンコードできますよ。