位置情報サービスの仕組み
位置情報を利用したゲームやユーティリティアプリがたくさんリリースされています。
このような位置情報を使ったサービスはどうやって位置情報を取得しているのかについてですが、GPSやWi-Fiなどを使って現在地を割り出して取得しています。
そうやって割り出した位置情報を活かして地図アプリでナビゲーションできたり、ポケモンGOなどの位置情報の利用を前提としたゲームアプリなどを開発できるのです。
WiFiを使った位置情報とは?
一般的に使われている位置情報を割り出す仕組みの一つとして、Wi-Fiを使った方法があります。
Wi-Fi接続元である無線LANルーターには必ずIPアドレスというインターネット上の住所が割り当てられているのですが、このIPアドレスはほかのWi-FiルーターのWi-Fiと重複することは基本的にありません(例外はありますか特殊な事例です)。
そのことを利用してIPアドレスごとのルータの位置を割り出し、位置情報を取得しているのです。
そのIPアドレスごとの位置情報をデータベース化してまとめて調査データを作成しているのが、サイバーエリアリサーチという株式会社です。
サイバーエリアリサーチはGeolocationなど位置情報を割り出す様々な技術を用いてIPアドレスごとの位置情報を測定しており、それらデータを別の会社などが利用することもあります。
ちなみに個人でもWi-FiのIPアドレスから位置情報を調べることが可能です。
Wi-Fiに接続した状態でこちらのサイトにアクセスすると現在位置情報が県名・市名込みで表示されるはずです(個人かつ無料で利用できるものであるため取得した位置がおかしいときもあります)。
このように、IPアドレスだけで位置情報を割り出すことができる仕組みが開発されているのです。
Wi-Fiを利用した位置情報の特徴とメリット
Wi-Fiを利用した位置情報について、GPSなどほかの取得方法にはない特徴やメリットがあります。
それらについて見ていきましょう。
GPSを使わない
Wi-Fiを使って位置情報を取得する一番に特徴は、GPSを使わないということです。GPSは結構負荷が高くスマホだと最もバッテリー消費が早い機能ですが、Wi-Fiを使う場合はGPSを使わないので負荷をかけず(バッテリーを大きく消耗せず)に場所を特定して取得することができます。
GPSと違ってかなり詳細な位置を割り出すことこそできないものの、Wi-Fiルーターがインターネットにさえ繋がっていたら位置情報を取得できるため、GPSでは位置がわからない地下・屋内でも位置情報を取得できます。
キャリア回線が使えなくても位置情報を取得できる
Wi-Fiを使う方法は、キャリア回線を使っているかどうかにかかわらずWi-Fiで位置情報を取得できます。
そのため、キャリア回線は圏外のエリアだけどWi-Fiは使えるという環境なら、圏外でも位置情報を取得できます。
極論を言うと、インターネットにさえ繋がっていたら位置情報を割り出して取得できると思っておくといいかもしれません。
GPSの精度を高められる(ケータイ・スマホのみ)
ケータイ・スマホではAGPSというGPSとキャリア回線のネットワークを利用して位置情報を割り出す技術が使われています。
2つの位置情報取得技術を併用するため、位置情報の割り出しが早く短時間で取得することができます。
ですが、キャリア回線に繋がりにくい環境だと精度が落ちてしまい、本来の位置から大きくずれることもあります。
そのようなズレを補正してくれるのがWi-Fiです。Wi-Fiに接続することでAGPS+Wi-Fiで位置情報を測定できるので、より正確な位置情報を割り出せるようになります。
ルーター(アクセスポイント)依存なのでコストが低い
GPSなど別の方法で位置情報を割り出す場合、専用の精密機器が必要になるなど、製造コストが上がります。
ですが、Wi-Fiを利用する場合はルーター依存になるので、端末の位置情報を調べるためだけにGPS用精密機器を搭載する必要はありません。
また、GPSを使わない携帯基地局を使った方法もセルIDというIDを取得するためにキャリア契約が必要になるため、決して低コストとは言えません。
Wi-Fiならインターネットに繋がらルーターがあるだけで十分ですので、GPSや携帯基地局位置情報割り出し機能を使うまでもない場合(IoT機器など)はかなりコストを抑えられます。